サンクコストとは、
将来回収することのできないコスト
のことを言います。
実は、このサンクコストは
私達の日常にも影響を及ぼすのなのです。
みなさんは、これまでの人生の中で、
無駄な行動だと分かっていながらも
「今やめたらここまで費やした時間が、
無駄になってしまう」
「ここまで投資したお金がもったいない」
こういった感情から、
自分の行動を止められなかったことは
ありませんか?
これは人間の損をしたくないという気持ちから
生じるもので、
「サンクコスト効果」と呼ばれています。
サンクコスト効果は、
さまざま人間心理が絡み合い生じます。
この記事では、
日常に潜んでいる
サンクコスト効果の例と、
そこに陥らないための方法について、
分かりやすく解説していきます。
ぜひ、最後まで読み進めてみてください。
1.サンクコストとは?
サンクコストとは、将来回収することのできないコストのことを言います。
例えばこんなことです。
- 新しい施設を作る途中で工事が中断になる
→そこまでにかかった費用は、施設の興業費で回収することができない - 4月に新入社員の研修を行ったが、その後1ヶ月もしないうちに新入社員が会社を辞める
→そこにかかった人件費や研修費用が無駄になる
埋没費用とも呼ばれ、上記の例のように事業や行動などで、そこまでに費やした時間やお金、労力などを回収することができないものを指します。
1-1.ハマると危ない『サンクコスト効果』
サンクコスト効果とは、事業や行動において、すでに費やした時間やお金、労力などをもったいないと思い、回収しようとしたり、判断を鈍らせたりすることを言います。
このサンクコスト効果にハマってしまうと、無駄なところに時間やお金、労力をかけ過ぎてしまったり、正常で合理的な判断ができなくなったりします。
また、サンクコスト効果と同意義で、コンコルド効果と呼ばれているものがあります。
コンコルド効果とは、英国とフランスが共同開発していた、超音速旅客機コンコルドから名前の由来がきています。
1950年代に開発がスタートされ、それまでの旅客機の飛行時間を圧倒的に超えるスピードで飛行する、夢なような飛行機と言われていました。
開発は十数年に渡たっていましたが、技術者らは途中から、「開発費用が高すぎる」、「燃費が非常に悪い」、「このまま進めると商業的に失敗する」と思い始めました。
ですが、開発者たちは、そこまでに莫大なお金を投じてきた上に、途中でやめるという選択をすることができず、開発を続けた結果、大赤字となり終焉しました。
この一連のエピソードが、コンコルド効果と呼ばれています。
2.サンクコスト効果の代表的な例
私たちの日常にはどのようなサンクコスト効果があるのでしょうか。
意外と私たちの日常とサンクコスト効果は密接に関わっています。
2章では、代表的なサンクコスト効果をご紹介していきます。
2-1.ギャンブル
ギャンブルは、
サンクコスト効果の代表的な例です。
例えば、パチンコに行ったとします。
10,000円を使って負けてしまいそうなときに、「もう、これ以上やってもお金が無駄になるだけだからやめよう」と思える人はどれくらいいるでしょう。
「10,000円も使ったんだから、勝たないともったいない」と思って、さらに課金をしてしまう人が多いのではないでしょうか。
ここにはまさに、サンクコスト効果が働いており、「ここでやめたら、費やしたお金が無駄になってしまうから、なんとか勝って回収しよう」と人は考えます。
その結果、どんどん課金をしていってしまうということが起こります。
2-2.依存した恋愛関係
恋愛関係にもサンクコスト効果は働きます。
恋愛関係において、
「この人がいないと生きていけない」
「別れたくても別れられない」
と依存状態に陥ったこと、または、周囲の人間がそういった状態に陥っていた、などという経験はありませんか?
なぜ人は恋愛関係で、上記のように依存をしてしまうのでしょうか。
実は、依存には、
サンクコスト効果が関係しています。
恋人に費やした時間、お金、労力などが、大きければ大きいほど、「この人にこんなにも色々してきたのに、ここで別れるのはもったいない」と人は無意識に思ってしまいます。
そのため、よく見受けられるのが、長年お付き合いをしているカップルや同棲をしているカップルなどは、もう好きという恋愛感情はないけど、なんとなく一緒にいるというケースです。
まさに、ここまでの時間やお金などを無駄にしたくないというサンクコスト効果が働いています。
2-3.ゲームの課金
ゲームの課金にも、
サンクコスト効果が働いています。
楽しくて、ついやり過ぎてしまうのが
ゲームですよね。
単純に楽しむためにゲームをするという方が多くいらっしゃるいと思いますが、そこに課金が伴う場合は少し注意が必要です。
なぜならば、ここにもサンクコスト効果が潜んでいるからです。
ゲームを更に楽しむために、一回だけと思って課金をしてしまうと、ここまでお金も時間も費やして進めたなら、その頑張りを無駄にしたくないという心理が働き、もう一回だけとさらに課金を重ねていってしまいます。
その結果、気づいた時には何万、何十万、何百万と課金をしてしまっていたなどという話も珍しくはありません。
3.サンクコスト効果の心理
では、なぜサンクコスト効果が働くのでしょうか?
その背景には、「もったいない」「無駄にしたくない」という心理以外にも、いくつかの心理があります。
3章では、人間の心理についてご紹介していきます。
3-1.一貫性の法則
人間の心理には、
一貫性の法則というものがあります。
一貫性の法則とは、人は無意識のうちに自分の行動や言動、信念などを一貫させたいと思うという心理のことを指します。
例えば日常の中での、
- 何かを購入したら、その流れで他のものを購入する
- ある人から頼まれごとをすると、再びその人からの頼みに答えてしまう
などの行動は一貫性を持たせようとする心理からきています。
そのため、一度始めてしまったことは、最後まで一貫してやり通そうとします。
この心理がサンクコスト効果と絡み合って、途中でやめる選択が取りづらくなっています。
3-2.損失回避の法則
目の前の損失を避けようとする心理のことを「損失回避」と呼びます。
行動経済学では、人は得することよりも損することの方を避ける選択をしやすいと言われています。
1章でご紹介した「コンコルド」では、莫大な資金を投資していたため、その損失を回避したいという思いから、途中で辞める選択をできませんでした。
また、2章で紹介したギャンブルでいうと、10,000円勝つよりも、10,000円負ける方が「避けたい」というの気持ちが強く働きます。
このような心理から、サンクコスト効果が生じやすくなります。
3-3.現実的ではない楽観主義
現実的ではない楽観主義のことを、非現実的な楽観主義と言います。
非現実的な楽観主義というのは、現実的な根拠や確証がないにも関わらず、「私は失敗しないから大丈夫」と考えやすい心理のことを言います。
単純な楽観主義との大きな違いは、非現実的な楽観主義は、目標に対して何も行動せずに、ただ待っているだけということです。
目標に対して努力をしないで、根拠も確証もないまま「なんとかなる」と考えてしまうので、コストを費やしすぎてしまったり、途中で辞めるとうい選択をせずに、計画を進め続けてしまいます。
4.サンクコスト効果に陥らないために
ここまでサンクコスト効果の恐ろしさや事例についてお話ししてきました。
では、サンクコスト効果に陥らないためには、どうすればよいのでしょうか?
私たちが実践できるいくつかの方法をご紹介していきます。
4-1.未来に着目する
まずは、未来に着目をすると、合理的な判断がしやすくなり、サンクコストに陥る確率が下がります。
サンクコスト効果は、今この瞬間だけのコストに注目をしてしまうが故に、陥りやすくなってしまいます。
そこで注目したいのが、機会費用です。
機会費用とは、【逃した機会の価値】であり、サンクコストよりも重要度が高いものと言えます。
例えば、
- 勝つまでギャンブルに投資することで逃す機会費用
→他に自分の好きなことや有益なことに投資できたお金 - 好きか分からない恋人と付き合い続けることで逃す機会費用
→より素敵な人と出会う&関わる時間 - 面白くない映画を見続けることで逃す機会費用
→より有意義なことに費やせる時間
などが挙げられます。
ですので、サンクコスト効果に陥りそうなったら、一度、未来に焦点を当て、「このままこの行為を続けることによってどんな損失が出るか」を考えると、より有益で素敵な選択ができるようになります。
4-2.やめる基準を設定する
やめる基準を設定することも、サンクコスト効果に陥らない方法の一つです。
何を始めるにしても、初めたときや結果が思うように出ないときなどは、
- 費用の限度はいくらまで
- ◯月◯日までに結果が出なければやめる
といったように
上限や期限を決めることがおすすめです。
そうしないと、「もう少しだけでも続けたら成果が出るかもしれない」「ここまで進めたならもったいない」と思い途中でやめることができ無くなってしまいます。
先に、上限を期限などやめる基準を明確に設定することで、サンクコスト効果に影響されづらくなるので、是非試してみてください。
4-3.周囲に相談する
周囲に相談することでも、サンクコスト効果を回避することができます。
自分自身で正しい判断を見出せない場合は、周囲の人間に意見を聞いてみることがおすすめです。
自分以外の第三者目線からの意見を聞くことで、自分には無かったアイデアや気づきを得られるので、判断材料が増えます。
ですが、1点だけ注意点をお伝えすると、信頼できる人に相談をするということです。
なぜかというと、実績を残している人や有名な人だからなどという理由で人選をすると、その方の実績や能力があるからこそ達成できたことや、成功したことなどのアドバイスにも影響されやすくなり、適正な判断がとれない場合もあります。
ですので、相談する際には、日頃から信頼関係が築けていて、自分のことをある程度理解してくれている人に意見を求めてみてください。
4-4.自分を客観的に見る
もしも、周囲に相談することが難しい場合は、自分で自分を客観的に見ることも一つの手です。
すぐに相談できる人がいなかったり、内容によっては相談しづらい内容もあると思います。
そもそも、サンクコスト効果を知らないと、自分がそこに陥っていることにすら気づくことができません。
ですので、まずはこの記事でサンクコスト効果について、少し理解が進んだみなさんは、それだけでも第一歩を踏み出していると言えるかもしれません。
そこから更に、自分を客観的に見るということができると、一人でも合理的な判断ができる確率が上がります。
しかし客観的に自分を見るということは、頭ではわかっていても、いざ行うということは難しいのです。
実際にわたしたちの日常生活で起きるトラブルの多くは自分を客観視することで解決する場合がほとんどです。
他者とのコミュニケーションを円滑にするスキルや目標達成するためのスキルを体系化している実践心理学NLPというものがあります。
その中でも自分を客観的に見ることが相手とのコミュニケーションのポイントの一つとして挙げられており、その大切さを説いています。
とはいえ、出来事の渦中にいるときには、なかなか自分を客観的に見ることは難しいかもしれません。
ですので、日頃から自分の行動を客観的に見る癖をつけたり、第三者から見たらどうなのかを考えてみたりする必要があります。
- 出来事を紙やメモに書き出して整理してみる
- もしも友達が同じことをしていたら、どう思うかを考えてみる
- 深呼吸をしてみる
- 視野を広げるために、目線や体を動かしてみる
などなど簡単に練習できる方法もあります。
日常の中で試してみると自分を客観的にみることが楽にできるようになっていくかもしれません。
5.まとめ
ここまでサンクコストとその心理効果、そして、それに陥らないための方法について、ご説明してきました。
サンクコスト効果の代表的な例をいくつかお伝えしましたが、私たちの日常には意外と多く潜んでいます。
心理効果は知らず知らずのうちに人を誘導しているものです。
当メディアサイトを運営するNLP-JAPANラーニング・センターでは、心理学NLPを用いて客観的な視点に立てるトレーニングを多く取り入れています。
それ以外にも目標達成能力を向上させる方法や相手の立場に立って物事を捉えていく方法、信頼関係を築くためのコミュニケーションスキルなど、日常生活で役立つ学びが心理学NLPには豊富です。
もしご興味をお持ちの場合は、10万名以上の方がダウンロードしている無料レポートをご覧いただくか、毎回多くの方がご参加されている人気の体験講座がありますのでぜひご参加ください。
10万名以上の方がダウンロードされている、無料レポートはこちらから。
↓
人生とビジネスでステージを高める心理学NLPの秘密
実践心理学NLPの体験講座はこちらからご覧ください。
↓
NLP体験講座(東京・名古屋・大阪・福岡・オンラインで開催中)
あなたを進化させる、最先端の10日間NLP実践コースはこちらから。
↓
NLPプラクティショナー認定プレミアムコース