※下記の内容は、タッド・ジェームス氏から許可を得て、文献を使用しています。
翻訳の文章のため、若干内容がわかりにくい箇所があるかと思いますが、ご了承ください。
ストラテジーの引き起こし方についてお話しましょう。
ストラテジーを引き起こすには2つの方法があります。
1つは形式的に引き起こす方法と、もう1つが形式にこだわらない普通の会話の中で引き起こす方法です。
形式的に引き起こす場合は、直接相手に「それってどうやるの?」と砕けた口調で聞けば、相手は答えてくれます。
そして大抵の場合、その情報を処理するときに相手が使っているサブモダリティを示すような内容で話しをしてくれるはずです。
大部分の場合、ストラテジーは会話の中で自発的に、自然に現われるものであり、形式的に引き出す必要もありません。
ストラテジーを会話の中で自然に引き出す
ストラテジーを会話の中で引き出すのは簡単です。
「ある物(場面、景色)を見ると、やる気になるよ」と誰かが言った場合、「なぜやる気になるとわかるんですか?その場面・景色の何がそうさせるんですか?」とあなたが聞く事がストラテジーを解明する事になるのです。
例えば、相手が過去に下した判断について話すとき、 大抵の場合はストラテジーの段階を踏んで話をしているのです。
瞬間リプレイのように、ストラテジーの各ステップを実際に踏んでいるのです。
テレビのスポーツ番組で瞬間リプレイを見たことがありますか?それと同じようなものです。
ストラテジーを形式的に引き出す
ストラテジーは形式的な台本を使って、引き出す事もできます。
さらに、相手に協力してもらえる状況であれば、もっと簡単になります。
また、ストラテジーの誘発を学び始めたばかりの段階であれば、台本を読むだけのこの方法が簡単でしょう。
形式的誘発では、技術を会得できるまでストラテジーのステップを繰り返します。
必要に応じて形式的誘発、と会話の中からの誘発の両方ができるように、どちらも学んでおくとよいでしょう。
形式的ストラテジー誘発を行う場合は、次に挙げる要点を順にたどってください。
形式的ストラテジー誘発のためのテキスト
形式的にストラテジーを引き起こす場合、セラピストは以下を組み合わせた質問をします。
- すごく○○だった状態の時を覚えていますか?
- 特にこの時というのを思い出せますか?
- その時に戻って・・・
- すごく○○になった最初の原因は何でしたか?
- 自分が見たこと(または特殊な見られ方をした)が原因ですか?
- 自分が聞いたこと(または相手の声のトーン)が原因ですか?
- 何かや誰かに触れた(触れられた)ことが原因ですか?
- すごく○○になった最初の原因は何でしたか?
- その(見た、聞いた、感じた)後、すごく○○になると同時に、すぐにどんなことが起こりましたか?
- 頭の中で何かを思い浮かべましたか?
- 自分に向かって話しかけた?または
- 特定の気持ちや感情がわき上がりましたか?
- すごく○○になると同時に、すぐにどんなことが起こりましたか?
- その(前記を言い直して)の後、自分がすごくXだったことがわかりましたか?または・・・
ストラテジーの誘発の記録:モチベーション ストラテジー
以下は、実際にモチベーションのストラテジーを誘発する際の会話です。
- こんにちは。ビル、それでは、話しをしましょう。
- はい。
- すごくやる気になった時のことを思い出せますか?
- (すこし考えて・・・)はい
- 特にこの時、というのを思い出せますか?(ビル、うなずく)
その時に戻ってみましょう。
あなたをやる気にさせた、一番最初の要因は何でしたか?
(間髪入れず)自分が見たものとか、誰かにそういう目で見られたなどが要因ですか?
自分が聞いたことが要因でしたか?
それとも誰か、何かに触れたことでしたか?すごくやる気になった最初の要因は何でしたか?
- 自分が見たものです。
- そうですか。それを見た時、すごくやる気になったと同時に次に何が起きましたか?
頭の中で何かを思い浮かべましたか?自分に話しかけましたか?
それとも特定の気持ちや感情がわき上がりましたか?
すごくやる気になったと同時に、次に何が起きましたか?
- 頭の中で思い浮かべました。
- わかりました。頭の中で何かを思い浮かべた後、自分がすごくやる気になっているとわかりましたか?
それとも自分に話しかけたり、特定の気持ちや感情がわき上がりましたか?
- 自分に話しかけました。
- わかりました。頭の中で思い浮かべ、自分に話しかけた後、自分がすごくやる気になっているとわかりましたか?
それとも自分にまた話しかけたり、特定の気持ちや感情がわき上がりましたか?
すごくやる気になったと同時に、次に何が起きましたか?
- そうだな、やる気になっただけでした。
- そう、ではやる気を感じたんですね?
- そう、その通りです。
- ここでビルのモチベーション ストラテジーが次のようであることがわかります。
Ve(自分で見る)→ Vi(自分の心の中で見る)→ Ad(自分に話しかける)→ M(モチベーション)
現在挙げたストラテジーの、各主要部分のサブモダリティを引き出して説明することもできますが、サブモダリティの完全な説明はしません。
可能なサブモダリティのチャートを参照してやってみてください。
ではビル、あなたをやる気にさせた原因となったもの、その他にやる気を出させるものを感じたのですか?
- あなたが見たもの、その何があなたをやる気にさせたのですか?そのものの色ですか?
- いいえ、それはないですね。
- 大きさはどうですか?
- はい、もしもっと小さければ、その気にはなっていなかったことは確かです。
- ではサイズが重要だったんですね。そのものとの距離は重要でしたか?
- そうは思いません。見える範囲内の距離でしたから。
- やる気になった時に頭の中で思い描いたことは、記憶から出てきた映像ですか?それとも想像ですか?
- 自分が目新しいことをやっている姿を想像しました。
- それは近い将来、それとも遠い将来?
- とても近い将来です。
- その想像の映像の中にあなたはいましたか?それともあなたの目を通して見た映像でしたか?
- 自分の目を通して見た映像でした。
- そして自分に何と言ったのですか?
- わぉ!と言いました。
- なるほど。ビル、ありがとうございました。
- こちらこそ。
以上の流れが、ストラテジーの引き金を知る会話の一部です。
このようにして、クライアントがモチベーションを引き起こすパターンを知るのです。
ストラテジー6:アイ・パターンを使ったストラテジー誘発方法