今回は、クレイグのアイ・パターンだけからストラテジーを引き出すケースを見てみましょう。
なぜ"自分で買ったのか?"と聞いたのでしょうか?
クレイグが自分で判断を下したのか、誰かのアドバイスを受けていたかを知りたかったからです。
誰かが一緒にいる時に判断を下す場合は状況が異なるからです。
(クレイグは食洗器は自分で買ったと言った。)
「ではクレイグ、その食洗器もいいよね、どこで買ったの?」とたずねた時、
【目のチャート Vc → Vr → Ad → K 】
クレイグは目を左上、右上、右下、左下へと動かしました。
(対面する彼を見ていると)そして動きは終わりました。
それを2回繰り返すのを確認しました。ストラテジーに戻るように指示すると、同じことを繰り返すのです。何度も繰り返し同じことをやった場合、それが彼のストラテジーであることはほぼ確実となります。
ではクレイグ、どこで買ったの?シアーズ(Sears=米大手スーパー)に入っていったら、懐に飛び込んできた?今回は身体感覚にアクセスしたようです。
何がしたいのかと言うと、彼の決まったパターンを打ち破りたいのです。
そのために"懐に飛び込んできた?""飛びついてきた?""背中を叩いてきた?"とか"その時計を手に入れた時、それが・・・"と聞いてみるのです。
しかし彼をストラテジーに入らせるような言葉の使用は避けましょう。
"すごくキラキラ輝いていたから欲しくなったの?"などのような言い方はやめましょう。
相手を視覚的に導いてしまいます。
または"呼び止められたような気がした?"などの質問は、音調的聴覚に導いてしまいます。
または"触感がよかったの?"なども避けましょう。
相手を導いてしまうのは避けますが、相手のパターンを打ち破り、視線をそらせて自由に発想できるような言葉を使います。
では一番最初に戻ってみましょう。
クレイグ、シアーズに入って行って何が起きましたか?目の動きはこうでした。
【目のチャート Vc → Vr → Ad → K 】
視覚的想像、視覚的記憶、聴覚的デジタル、身体感覚です。
ではシアーズに入って行って食洗器を見せて欲しいと言います。
(ところでシアーズに入っていって食洗器の場所を聞くのはストラテジーの一部ではありません。
彼の話によると、まだストラテジーの引き金まで到達していません。)
それでどうしたの?("そこへ行って見てみました。")
ではシアーズに入り、食洗器の場所を聞いたんですね。
欲しいと思った食洗器について、販売員に質問をしましたか?
何をしているのかと言えば、アイ・パターンが正しく認識できているかどうかを確認しているのです。
シアーズに入り、食洗器がどこかを聞き、食洗器売り場まで行ったんですね。
("そう、それで食洗器を選びました。")
わかりましたか?先ほどはそういう言葉は使いませんでしたよね?
"食洗器を選んだ"と彼は言いました。では欲しいと思う食洗器があったんですね?("まあね。")
なぜそれがわかったか?彼のアイ・パターンを見たのです。
では欲しいと思う食洗器を見つけて、それからどうしましたか?
("自分が考えていた購入基準に合っているかどうかを聞くために販売員を呼びました。")
これこそ聴覚的デジタルですね!購入基準のリストを思い浮かべたのです。
ここでもまた基準を知ることができました。
ところで、まだ判断を下すときのストラテジーを引き出せたわけではありません。
しかしモチベーション・ストラテジーの一部かもしれない判断基準を知ることができました。
その基準が後から付け加えられたかどうかは関係ありません。
彼に何かを売りたいのであれば、彼にとって、特に食洗器に関してはセール価格というのが基準であることがわかったのです。
私は開始から終了まで彼を導き、どの時点においても特定アイ・パターンに再度アクセスしてもらうことができました。
彼は身体感覚にアクセスしました。では確認のために聞いてみます。
彼が判断を下すときに使う特定ストラテジーを知ることができました。
問題は、身体感覚的な退出が、彼のその他すべての判断を代表するかということです。
私はそうだと推測します。
ではそれが絶対確実であることを確認するためにちょっとしたテストをしてみましょう。
身体感覚的退出は、私のちょっとした推測なのです。
今までに多くのストラテジーを引き出してきた経験からの推測なのです。
しかしここでクレイグの他のストラテジーをテストしてみましょう。
クレイグ、最後に芝刈り機を買った時のことを覚えていますか?
【目のチャート Vc → Vr 】
そう質問した時、彼は目を左右に動かしました。
視覚的想像と視覚的記憶です。頭の中で最後に買った芝刈り機を想像したのです。
または、最後に買ったはずの芝刈り機を想像し、それが本当に最後に買ったものなのかを視覚的記憶によって思い出そうとしています。
でもそれはまだストラテジーではありません。
【目のチャート Vc → Vr → Ad → K 】
ストラテジーの終わりまで行き、言い終えた瞬間に身体的感覚にアクセスしました。
彼は身体感覚的のプラススイッチが入るまでたくさんの基準に照らし合わせることが明確となりました。
それで終了するのです。
あなたも確認できましたね?
これが彼のストラテジー・・・判断を下すときのストラテジーであり、購入ストラテジーの一部なのです。
それは何かを見て(外部視覚的)、自分の基準を満たしていると知り(聴覚的デジタル)、そのものへの肯定的な感情が生まれる。
【Vc /Vr → Ad → K → D】
このストラテジーでは、Adプラスになる(基準を満たす)と、Kが続きます。
そうでない場合は、外部視覚に戻ります。基準に合わなければ、他の商品を見ることに戻るからです。
私は今、単に幻覚を見ているだけなのかもしれません。所詮、あなたのストラテジーですからね。
芝刈り機のケースでは、彼は頭の中で映像を思い浮かべました。
映像を作ったのか、思い出したのか、それがさきほど言ったことなのです。
食洗器の場合、彼はシアーズに行って食洗器を見ました。
このケースでは、芝刈り機を直接見たのではなく、箱に入っていた芝刈り機を想像または思い起こしたのです。
ここで大きな区別をつけることができますね。
それをテストしてみましょう。
その時に戻り、事務所に戻り・・・彼は想像と記憶の間を右左と動き、ストラテジー全体を見せてくれました。
【目のチャート Vc → Vr → Ad → K 】
それは思い起こすことでしたよね?
アイ・パターンが記憶の呼び起こしを示していました。
クレイグは箱に入った芝刈り機の映像を思い出して"これは安く買えるぞ"と自分に言ったのです。
基準の参照、基準の参照、そして肯定的な気持ち。
クレイグは確かに気持ちに基づいて操作しています。Kプラスで退出してきます。
外部視覚的、または視覚的記憶が起きたと思われ、私は視覚的記憶だと判断するでしょう。
埋め込みコマンド(Embedded Command)を知る目的でアイ・パターンからストラテジーを引き出している場合、私は実際のアイ・パターンだけに注目したいので目撃したアイ・パターンだけを書き記します。
そしてもしもアイ・パターンだけを使おうと思うなら、今のような質問はしません。
形式的な方法で引き出す時は外部的視覚に注目し、さらに詳細な質問をするでしょう。
さて、ここまでで視覚的記憶、聴覚的デジタル、身体的感覚ときて、ループは聴覚的デジタルから視覚へと戻りました。そこで、私はクレイグにこのように質問してみました。
芝刈り機を頭の中で想像して、"あれを半額で君に売るなんてあり得ないよ。全額を払ってくれ。"と言われたらどうしていましたか?
結果的は、最終的にKマイナスとなってしまったのです。
ちがう芝刈り機を探さなければなりません。
しかしすでに購入意欲は湧いているので、これはモチベーションストラテジーではなく、判断を下すためのストラテジーなのです。
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