用語集:ペーシング - NLP-JAPAN ラーニング・センター 東京・名古屋・大阪・福岡

お電話|月~金 12:00~18:00

  • 東京
  • 名古屋
  • 大阪
  • 福岡

NLP用語集

ペーシング

ペーシングとは、
相手の話すスピード、声の大きさ、しぐさ、表情など、相手とペースを合わせて、
信頼関係を築きやすくする心理学NLPのスキル
です。

相手との会話中にペーシングをすることで、
話し手と聞き手の双方に一体感が生まれ、話し手は心を開き、
安心して話すことができるようになります。

さらに、感情に焦点を当てたペーシングを行えば、
対面のコミュニケーションだけでなく、文章やメール、
コピーライティングなどにも応用して使うことができます。

元々はセラピーの分野で活用されていたスキルですが、
「短時間で信頼関係を築くことができる」効果の高さから、
コーチやコンサルタントなど、人の話を聴くことが必須の職業の方を始め、
マネジメントや部下育成などの場面でも活用されています。

ペーシングがなぜ効果的なのか

人には、共通点が多い相手に親近感を覚え、
心を許す「類似性の法則」と言われる心理作用があります。

ペーシングはこれを利用して、意図的に相手に合わせることで共通点を作り出し、
相手の警戒心を解き、安心感を与え、信頼関係を築きやすくしているのです。

例えばこのようなことです。

  • 同じ出身地だとわかり、地元トークで話が弾み、仲良くなったこと
  • 初めてあった人と年齢が同じだとわかると、急に身近に感じること
  • 好きなアーティストや趣味が同じだとわかって、すぐに仲間意識が芽生えること

ペーシングは、いわば信頼関係を築くための準備と言えますから、
特に人と関わることが多い方にとっては、欠かせないスキルでしょう。

ペーシングの具体的なやり方

コミュニケーションの中には、言語情報と非言語情報が混ざっています。

非言語情報とは、表情やしぐさ、振る舞いなどの「言葉以外」の情報です

ペーシングを使い、その言語情報と非言語情報の両方にペースを合わせることで、
短時間のうちに信頼関係を築いていきます。

なお、ペーシングはNLPの「ラポールスキル」の1つですが、
さらに、以下の3つに分けることができます。

「マッチング」
「ミラーリング」
「バックトラッキング」

ここでは、それぞれの具体的なやり方をご紹介していきます。

声の大きさや速さにペーシングする

代表的なペーシングは、
相手の声の大きさ、話す速さに合わせて話す方法です。

これは心理学NLPのスキルの一つで、
マッチングと言われています。

例えば、

ゆっくりめに話す方には、自分もゆっくりめに話す。
少し早く話す方には、自分も少し早めに話します。

これだけでも、相手と自分の間に親近感が生まれ、
この親近感が、さらに心の距離感を近づけてくれるのです。

大きな声の方には大きめの声で、
小さい声の方には小さめの声で話します。

話すスピードと声の大きさを合わせられるようになったら、
声の張り、声の高低、話すリズムにもペーシングするとさらに効果的です。

プロのコーチやカウンセラーの方にとっては、
クライアントとのコミュニケーションで、必ずと言っていいほど活用しているでしょう。

他にも、特に聴覚情報だけでやりとりをするコールセンターのプロのスタッフは、
相手の声を巧みにペーシングして、相手が見えない状況でも安心感を与えるコミュニケーションをされています。

しぐさや表情にペーシングする

しぐさや表情にもペーシングをすることで、その効果が増します。

まるで鏡のように相手の動作や姿勢にペーシングするスキルを、ミラーリングと呼びます。

例えば、

  • 相手が笑顔であれば、こちらも微笑む
  • 相手があごに手を置いたら、こちらもあごに手を置く
  • 相手が腕を組んでいたら、こちらも腕を組む

ミラーリングは非常に強力ですが、使う際に一つ注意点があります。

相手の動作をただ真似るだけでは、
すぐに気づかれてしまい、むしろ不信感を抱かせてしまうかもしれません。

ポイントは、相手に気づかれずに、さり気なく行うことです。

相手が飲み物に手を持っていったら、
少し遅れて自分も飲み物を手にする。

このようなさり気ないミラーリングをすることで、
相手に違和感を感じさせずにコミュニケーションをとることができます。

相手の言葉にペーシングする

相手が使った言葉にペーシングすることも、
信頼関係を築くためには効果的です。

相手が使った言葉をそのまま繰り返し、
活用するスキルをバックトラッキングといいます。

ここで、バックトラッキングを使った会話例を見てみましょう。

OK例

相手

長生きには、
健康的な食事が大切ですよね」

あなた

はい。長生きには、
健康的な食事が大切ですね」

NG例

相手

長生きには、
健康的な食事が大切ですよね」

あなた

はい。元気に生きるには、
体に良い食事が大切ですね」

このように相手が使った言葉を変えるのではなく、
そのまま使うことが大切です。

ニュアンスや意味が同じだからといって、
別の表現は使わずに、相手が使った言葉をそのまま使います。

そうすることで、バックトラッキングされた相手は、
自分を大切にしてもらえていると感じ、相手に対して信頼や安心感を感じます。

例では、事実をバックトラッキングしましたが、
「嬉しい」などの感情をバックトラッキングしてみたり、
話が長くなったときには、簡単に要約してバックトラッキングしたりすることも効果的です。

陥りやすいペーシングの注意点

ここでペーシングを行うときに、
陥りやすい点について触れておきます。

ペーシングは、信頼関係を築くためには、なくてはならないスキルですが、
使い方を間違えると、むしろ逆効果となってしまいますから、注意が必要です。

ペーシングをするときに注意していただきたいことは、
ペーシングしようと必死になるあまり、自分に意識が向いてしまい、
相手に意識が向かないことです。

信頼関係を築くには、相手に意識を向けて、
相手を知ろう、相手を尊重しようという姿勢や意図が何より重要です。

また、ペーシングを誇張しすぎて、不自然になってしまっては本末転倒です。
自然なペーシングを心がけてみてください。

ペーシングにはさらなる上級編もある

今回ご紹介した3つのペーシング以外にも、
相手が大切にしている「価値観」、人が持つ「優位感覚」にペーシングする方法もあります。

特に優位感覚にペーシングする方法は、
ペーシングの中でも強力と言われています。

優位感覚とは、五感の中でも、
その人が持っている特に優れた感覚のことで、視覚、聴覚、体感覚の3つに分けられます。

人によって、どれが優位な感覚なのかは様々であり、
目の動き、使う言葉、しぐさからその人の優位感覚を判断します。

自分がどの感覚が優位なのかを押さえておくと、
例えば、どのような方法でインプットすると、
より効率的に理解できるのか?などのことがわかります。

さらに相手の優位感覚がわかると、
相手とどのようにコミュニケーションを取ったり、
関わるといいのかがわかります。

コミュニケーションのレベルアップに大いに役立つでしょう。

優位感覚は、無料の診断テストで簡単にチェックすることができます。
ご興味がある方は、下記よりご確認ください。

【3分】で優位感覚を知る! VAKタイプ分け診断テスト

また今回ご紹介しました、「ミラーリング」や「バックトラッキング」を、日常で使う方法がわかりやすく書かれた、
NLP無料レポート『人生とビジネスでステージを高める心理学NLPの秘密とは?』
もお役立てください。