著:ロバート・ディルツ
次のエクササイズは、
リソース・アンカーを作ることを目的に、
適格性の条件を適用しながら
アンカーを確立するプロセスです。
集中ができて、何かに邪魔されない場所や環境で実践するのが最適です。
ロバート・ディルツ氏による「アンカリング」の解説記事はこちらをご覧ください
⇒ アンカリング
エクササイズ:リソース・ステートのアンカリング
ステップ1
あなたがもっと頻繁に体験したいと思う、リソースフルなステート(自分の中にある資源が存分に使えていると感じられる状態)を選びます。
例えば、「揺るぎない自信」の状態など。そのステートを強く感じていた過去の具体的な時を見つけます。
ステップ2
その過去の時に自分を戻し、その状況を自分自身の視点から再体験します。
その状況を自分の目で見て、自分の耳で聞いて、身体で感覚を感じます。
このリソース体験とあなたの内的状態に関連する認知パターンや行動パターンを、次に挙げるような明白なものから些細なものまですべて記録します。
リソース体験に関連するすべての音や言葉を聞きます。
リソース体験を構成している物や出来事の情景や詳細を心の目で見ます。
リソースに満ちた感覚に関連する、感情と触覚のどちらの感覚にも触れます。
自分の身体の姿勢や呼吸などにも気付きましょう。
リソース体験に関連する匂いや 味があれば思い出しましょう。
記録を取り終わったら、その体験を思い浮かべるのをやめ、一度、そのステートを身体と心から振り払います。
ステップ3
独自性のあるセルフ・アンカーを決めます。
上半身のどこかで、自分が触れやすい場所、ただし、日常生活ではあまり触られることのない場所を選びます。
例えば、手のひらや肩、頬などは、日常生活の中で自分や他人がよく触れる場所です。
そのため、効果的で持続するアンカーとしてはトリガーの独自性が足りません。
一方、耳たぶ、拳を握った時の薬指付け根、人差し指と中指の間の皮膚など、ランダムに触れられることがないため汚染されにくく、独自性の高い刺激となります。
ステップ4
再びリソース体験にアクセスします。
ステートが最大の強度に達しようとしていると感じたら、アンカーとして選んだ身体の部分に触れたり、圧迫したりしてください。
自分が感じるリソース・ステートの強度に合わせて、触る力や押す強さを調整します。
これを数秒間続けたら、その体験について考えるのをやめて、そのステートを振り払います。
ステップ5
ステップ4を数回繰り返します。
繰り返す度に、リソース・ステートの体験を強化するために、すべての表象モード(視覚、聴覚、感覚、動き、嗅覚、味覚)を含めた、
ステートに関連付けられているサブモダリティ(色、動き、明るさなど)を増幅します。
ステップ6
一度、ステートを振り払ってクリアにし、セルフ・アンカーの場所に触れたり、押したりしてアンカーをテストします。
アンカーされたリソース・ステートが、意識的に努力することなく自然に生じるはずです。
そうならない場合は、リソース・ステートに簡単にアクセスできるようになるまで、ステップ4と5を繰り返してください。
ステップ7
このステートがもっと使えるようになりたいと思う状況をいくつか考えてみましょう。
それぞれの状況にいると想像し、セルフ・アンカーに触れて、リソース・ステートとの自動的な関連付けを作ります。
このエクササイズを行う時は、アクセスしている表象システムと、作り出してしているステートを区別し、
それぞれへのアクセスを可能としているキューや特徴に注意を払ってください。
同じ方法を使って、他のセルフ・アンカーも作ってみましょう。
例えば、リラックスしたステート、創造力が発揮できるステート、高いモチベーションのステートなど、さまざまに作ることができます。
内的アンカーを試してみるのもよいでしょう。
たとえば、リラックスした状態に簡単にアクセスできるようになりたいのであれば、まずは心の中で何かの色を鮮明に想像します。
次に、身体をできるだけリラックスさせます。
呼吸の速度を落とし、筋肉の緊張や力みなどに気づいたら、力を抜いていきます。
自分が望む状態に入れたと感じたら、その状態を最も象徴する色へと、最初の色が変化していくのを見ましょう(例えばオレンジから青へ)。
また、色の形状を変化させることもできます(例えば、色が変化するとともに、お腹の方へと色が滴り落ちるのを見る)。
練習を続けることで、その色を想像するだけで、リラックスした状態に入れるようになります。
また、自分が緊張していたり、不安を感じていたりすることに気づき、自分の状態を意識的に選択したいと思うときは、
一瞬目を閉じて、深く呼吸をして、その色を想像します。
それだけで、自分が望む状態にアクセスできるようになります。
また、多くの瞑想フォーマットでは、マントラやチャンティングなどのような聴覚的なアンカーを使って、
ダウンタイムやリラクゼーションの状態にアクセスします。
その状態に入りながら、言葉や音を繰り返すことで、いずれ、その音が聞こえるだけで、
アンカーされている状態に容易に入れるようになれます。
アンカーの消滅
「アンカーは、どれくらい保ちますか?」という質問をよく受けます。
その答えは、アンカリングのための適格性条件をどれだけ満たしているかということに関係してきます。
高い強度の反応から作られたアンカー、独自性の高いトリガー(刺激)を持ち、
適切なタイミングでの連合、そして適切にコンテクスト化されたアンカーであれば、非常に長い時間持続します。
パブロフによると、犬たちの条件反射の一部は、その個体が死ぬまで消滅しなかったそうです。
この現象は、ポジティブなアンカーだけでなく、ネガティブなアンカー(恐怖症など)にも当てはまるため、
アンカーを変更、または消滅する方法があると役立ちます。
NLPには、自動的にかかってしまったアンカーに対して、より多くの選択肢が持てるような手法がいくつもあります。
そのうちの1つ、「アンカーの破壊」を紹介しましょう。
自分の中で作ってしまったアンカーを再プログラムしたい、または取り除きたい場合、
別のアンカーや体験を使って、そのアンカーを破壊する(潰す)ことができます。
破壊したいアンカーと連合しているステートや体験に入っている時に、例えば手首をぎゅっと握るなどします。
覚えておいてほしいのは、再プログラムしたいアンカーを発火するときは、その時に自分が入っている状態にも影響を与えます。
そのため、自分をプログラムし直すのであれば、変えたいと思っているアンカーやステート、体験と同等の強度、影響力を持ったアンカーやステートを使うようにしましょう。
逆にアンカーを強化したい場合は、自主的に触れようと思わなければ触れられることのない、
他者との交流において誤って発火されにくく、統合されにくい刺激を選ぶようにしてください。
問題を引き起こすアンカーを消滅させたり、変容させたりするためのNLPテクニックには、
他にも「VKディソシエイション」、「個人史を変える」などがあります。
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NLPトレーナー ロバート・ディルツ(Robert Dilts)プロフィール
著者より許可をいただき掲載しています。
https://www.nlpu.com/Patterns/patt28.htm
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