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2026.03.19 NLP世界権威

眼球運動とNLP

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著:ロバート・ディルツ

特定の認知プロセスを示す指標としての眼球運動は、議論の余地はあるものの、NLPの発見の中でも広く知られている概念の一つであり、同時に大きな価値を持ち得るものでもあります。

NLPによると、意図せず自然に起こる無意識の眼球運動、すなわち「アイ・アクセシング・キュー」は、特定の思考プロセスに伴って現れることが多く、その人がいずれかの表象システムにアクセスし、それを用いていることを示しています。

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眼球運動と内的表象が関連している可能性を最初に提唱したのは、アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズです。

同氏の著書『Principles of Psychology(心理学の原理)』(1890年、pp.193~195)のなかで、思考にはある種の微小運動が常に伴うという現象について、彼は次のように書いています。

ある特定の感覚領域に属する観念や感覚に注意を向けるとき、感覚器官の調整という動きが生じる。

それは起こると同時に感じることができるものである。

たとえば、私は視覚的に考えようとすると、圧迫感、輻輳(両目が内側に寄る動き)、開散(両目が外側へ広がる動き)、調節などが、眼球の中で揺れ動くように変化する感覚を覚えずにはいられない...【中略】

何かを思い出そうとしたり、考えを巡らせようとするとき...【中略】

私は外界から引き離されるような感覚がある。私が感じ取れる限りでは、これらの感覚は、実際に眼球が外側と上方に動くことによって生じている。

ここでジェームズが説明しているのは、NLP(神経言語プログラミング)ではよく知られている視覚のアイ・アクセシング・キュー(視覚情報にアクセスすると、眼球が上方の右または左に動く)と呼ばれるものです。

このジェームズの観察結果はしばらくの間、注目されることはありませんでした。

しかし、1970年代初頭になって、キンズボーン(1972)、コセル他(1972)、ガリン と オーンスタイン(1974)といった心理学者が、側方眼球運動を脳の左右半球に関連するプロセスと結びつけて考え始めるようになりました。

右利きの人の場合、「左半球」(論理的・言語的志向)のタスクを行っているときには頭や目を右に動かす傾向があり、「右半球」(芸術的・空間的志向)のタスクを行っているときには頭や目を左に動かす傾向があることが観察されました。

つまり、人は認知的なタスクを行う際、使用している脳の半球と反対の方向を見る傾向があるということです。

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1976年初頭、リチャード・バンドラーとジョン・グリンダー、そして学生たちによって、眼球運動とさまざまな感覚との関係、さらに脳の左右半球に関連する認知プロセスとの関係の研究が始められました。

1977年、ロバート・ディルツはサンフランシスコのラングレー・ポーター神経精神医学研究所にて、眼球運動と特定の認知的および神経生理学的プロセスとの相関を明らかにしようとする研究を行いました。

ディルツが取り入れた方法は、電極を使って被験者の眼球運動と脳波特性を追跡しながら、記憶(「右脳」による処理)と心的構築(「左脳」による処理)の両方が関わる、視覚、聴覚、体感覚などの様々な感覚を触発するような質問を尋ねるというものでした。

被験者には、つに8グループ分けされた、一連の質問が提示されました。

各質問グループは、特定の認知処理(視覚、聴覚、体感覚、感情/内臓感覚)を引き出すことを目的としています。

また、それぞれの質問は記憶(非優位半球による処理)か構築(優位半球による処理)のどちらかを用いるように作られていました。

この時の研究結果の記録は、異なる認知タスクを行っているときに生じる脳活動に伴って、眼球運動の側性化(左右の半球のどちらか一方が特定の機能や能力を担うように専門化される現象)が起こることを示した他の研究結果を裏付けるものとなりました。

そして、別の感覚を用いるタスクでも同じパターンが当てはまることもわかりました。

これらの研究と、異なる文化や人種的背景を持つ世界中の人々を長時間に渡って観察した結果、以下の眼球運動のパターンが特定されました(ディルツ 1976, 1977、グリンダー、デロジャー 1977、バンドラー、グリンダー 1979、ディルツ、グリンダー、バンドラー、デロジャー 1980)

目が左上:非優位半球による視覚化。想起された心象(Vr)。

目が右上:優位半球による視覚化。構築された心象と視覚的空想(Vc)。

目が左横:非優位半球による聴覚処理。想起された音、言葉、頭の中の反復音声(Ar)、音調の識別。

目が右横:優位半球による聴覚処理。構築された音と言葉(Ac)。

目が左下:内部対話、または内なる自己対話(Ad)。

目が右下:触覚的、および内臓的な感覚や感情(K)。

目が正面だが、焦点が合っていないか、瞳孔が開いている:ほぼあらゆる感覚情報に素早くアクセスできるが、通常は視覚情報。

これは、人類全般の、右利きの人々に一貫して見られるパターンのようです(ただし例外の可能性として、バスク人にはかなりの数の「ルールの例外」が存在しています)。

その後の研究(ロワゼル1985、バックナー、リース、リース1987)によって、眼球運動が思考を構成する重要な認知要素を反映しているだけでなく、影響も及ぼしているというNLPの主張が裏付けられています。

また、多くの左利きの人は、左右が逆になる傾向があります。

つまり、彼らのアイ・アクセシング・キューは、平均的な右利きの人のパターンを鏡映しにしたように逆になっているということです。

たとえば、感情にアクセスしているときは右下ではなく、左下に目が動きます。また、映像を視覚的に思い出すときは、左上ではなく、右上に目が動きます。

少数ですが、一部の人(両利きや少数の右利きの人)は、アイ・アクセシング・キューの一部だけ(たとえば、視覚情報にアクセスしているときの眼球運動)が逆になっている場合もあります。

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眼球運動と思考の関係を自分でも探るために、まずは手伝ってくれるパートナーを見つけましょう。

次に、以下の質問をして、相手が答えるときの眼球運動を観察します。

それぞれの質問について、観察した相手の眼球運動を記録するために、質問の下にある枠を使うことができます。

観察した眼球の位置の順番を、印や線、数字などを使って記録しましょう。

  1. 視覚の想起
  2. あなたの車の色を思い浮かべてください。

    あなたのベッドカバーはどんな柄ですか?

    走っている人を最後に見たのは?

    今朝、最初に見かけた5人は誰でしたか?

  3. 視覚の構築
  4. 自分の輪郭を6メートル上空から見て、それが都市の外観に変わるのを想像してください。

    下半身は緑色のカバ、上半身は犬のおもちゃを想像してください。

  5. 聴覚の想起
  6. 自分の好きな一曲を思い出してください。

    拍手の音を思い出してください。

    あなたの車のエンジン音を思い出してください。

  7. 聴覚の構築
  8. 汽車の汽笛の音が、本のページをめくる音に変わるのを想像してください。

    サックスの音とお母さんの声を、同時に聞くことはできますか?

  9. 聴覚デジタル(内部対話)
  10. 自分の内なる声に耳を傾けてみましょう。

    それが自分の声だとどのようにしてわかりますか?

    独り言や内部対話は、どのような場面で最も多く言いますか?

    自分に対して、どのようなことを最もよく言っていますか?

  11. 体感覚の想起
  12. (触覚)

    最後にびしょ濡れになったと感じたのはいつですか?

    手の中の雪の感触を想像しましょう。

    松ぼっくりを手に持つとどのような感触ですか?

    最後に熱い調理器具に手が触れてしまったのは、いつですか?

    (内臓的/感情的)

    何かをやり遂げた満足感を覚えたときのことを思い出してください。

    自分が疲れ果てていた時のことを思い出せますか?

    最後に苛立ちを感じたのはいつですか?

  13. 体感覚の構築
  14. (触覚)

    ベタベタした感触が、指の間を砂がこぼれ落ちる感触に変わるのを想像してください。

    犬の毛が柔らかいバターの感触に変わるのを想像しましょう。

    (内臓的/感情的)

    苛立ちの感覚が、強いやる気の感覚に変わるのを想像してください。

    退屈している感覚が、退屈している自分をばかばかしく感じる感覚へと変わっていくのを想像しましょう。

眼球運動を観察して追跡する際には、多くの人はすでに自分の優位表象モードに紐づいた、習慣的な目の動きがあることを心に留めておくことが重要です。

あなたの質問がどの感覚モードを想定しているかに関係なく、視覚優位な人はまず上方に目を向けてから、次に左や右に目を向ける傾向があるかもしれません。

この傾向がある人に好きな曲について考えるように言うと、曲名を思い出そうとして、レコードやCDジャケットの映像を思い浮かべるかもしれません。

一方、体感覚優位な人は、どの曲が自分の「お気に入り」なのかを知るために、目を下に向けて自分の感情を確認し、どう感じるかを判断するかもしれません。

相手の目の動きが何を意味しているのかを正確に把握するためには、質問に答えているときに、相手が実際に頭の中で何をしていたのかを尋ねることが重要です。

眼球運動をアクセシング・キューとして扱うこと、そしてそれを読み取る自分の能力に自信が持てるようになったら、その活用方法は広範にわたります。

先に述べたように、習慣的な眼球運動は、その人が好む感覚モダリティを反映しています。

「あなたにとって本当に大切なものは何ですか?それについて、今、考えてください」と誰かに言ったなら、その人があなたの質問に答えているときの目の位置は、おそらくその人が最も大切にしている表象システムについて多くのことをあなたに伝えてくれるでしょう。

また眼球運動は、その人がどのくらい真実を述べているか、あるいは一貫しているかを判断するためにも活用することができます。

たとえば、その人が目撃した、あるいは実際に参加した出来事について話している場合、その人の目は主に左横(右利きの場合)に動き、過去の記憶にアクセスしていることを示すでしょう。

しかし、目が頻繁に右上に動くのであれば、話している体験の一部を頭の中で構築しているか、再構築している可能性があります。

つまり、その人が話していることには不確さがあるのか、あるいは真実ではないことを示しています。

NLPにおいて眼球運動が最も一般的に適用されるのは、思考したり、意思決定をしたりするために、その人が使っている表象ストラテジーを特定するときです。

人の思考プロセスの大部分は本人にとって無意識であるため、自発的な(意識で制御されていない)眼球運動は、意思決定、学習、動機づけ、記憶などに関する人の内的ストラテジーを引き出し、モデリングする上で非常に重要な役割を果たします。

参考文献

Patterns of the Hypnotic Techniques of Milton H. Erickson, M.D. Vol. II, Grinder, J., DeLozier, J. and Bandler, R., 1977.

NLP Vol. I, Dilts, R., et al, Meta Publications, Capitola, CA, 1980.

Roots of NLP, Dilts, R., Meta Publications, Capitola, CA, 1983.

Eye and Head Turning Indicates Cerebral Lateralization; Kinsbourne, M., Science, 179, pp. 539_541, 1972.

Lateral Eye Movement and Cognitive Mode; Kocel, K., et al., Psychon Sci. 27: pp. 223_224, 1972.

Individual Differences in Cognitive Style_Reflective Eye Movements; Galin, D. and Ornstein, R., Neuropsychologia, 12, pp. 376_397, 1974.

The Effect of Eye Placement On Orthographic Memorization; Loiselle, Fran_ois, Ph.D. Thesis, Facult_ des Sciences Sociales, Universit_ de Moncton, New Brunswick, Canada, 1985.

Eye Movement As An Indicator of Sensory Components in Thought; Buckner, W., Reese, E. and Reese, R., Journal of Counseling Psychology, 1987, Vol. 34, No 3.

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NLPトレーナー ロバート・ディルツ(Robert Dilts)プロフィール

著者より許可をいただき掲載しています。
https://www.nlpu.com/Articles/artic14.htm
This page, and all contents, are Copyright © 1998 by Robert Dilts., Santa Cruz, CA.

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